麺や渦雷|ラーメン界きっての達人の実兄が辣腕を振るう! ミシュランも認めた実力派の一杯 @藤沢市[神奈川県]

最終更新日

気品漂う風情の醤油ラーメン
全乗せ醤油RAMEN・大盛り

いかにもミシュランプレート店の姉妹店らしい、上品で端正な見た目のラーメンが着丼。

 

淡麗系の控えめな味のスープ
醤油スープ

赤銅色の落ち着いた色合いのスープはあっさりした薄味なのだが、表面上の慎ましさの背後にいささかの躍動的な主張感があって、ハッとさせられた。どことなく主張を堰き止められたような、アピールを内包した雰囲気が感じられた。どうやらスープの存在感を後退させ、スープを縁の下の力持ち的に機能させることによって、麺と具を際立たせる構成となっているようだ。

 

柔軟な細ストレート麺
細ストレート麺

ちょうどいい硬さの自家製の細ストレート麺は、程良い柔軟性を上手く打ち出しているのが特徴。弾力感、および柔軟性に由来するもっちり感もそれなりに良好ということもあって、そこそこいい線を行っている感じに仕上がっている。

 

やや凡庸なチャーシュー
チャーシュー

2種類の豚チャーシューはともに淡白な味で、一方は結構柔らかく、もう一方は程々に柔らかいのだが、質感が見た目ほどではなく、凡庸さが滲むように表れている様相である。外観の良さをもって期待すると、肩透かしを食うことになりそうだ。

 

絶品すぎるサイドメニュー
煮込みソーキご飯

煮込みソーキご飯のソーキは、微妙にカレーの風味を効かせた濃密な味で、とても柔らかく、まさに激旨である。それでラーメンのチャーシューとの旨さの落差に唖然とさせられることになった。もちろんこのソーキをそのままラーメンに合わせても、スープとの相性が悪くて頓珍漢なことになるだろうが、ここまで旨い料理を作れるのであれば、もしかしたらちょっとした発想の転換程度で、ラーメン界のトップとの呼び声が高い弟の大西祐貴氏に匹敵するようなラーメンをも作れるのではないかと、店主の秘めたる才能を想像させられた。

 

総括
店頭に掲示された店名

今回味わった醤油ラーメンは、淡麗な薄味のスープがあまり目立たない黒子となることによって、麺と具が引き立つような作りであったわけだが、その肝心の麺と具、とりわけチャーシューが主役となるには完成度がいまいち十分ではなく、バランス的にチグハグな印象を受けるのを禁じえなかった。とはいえ、姉妹店がミシュランプレートと評価されたことが、なるほどと首肯できるくらいのレベルには達している感じで、なかなか秀逸な出来栄えと言って間違いないだろう。

 

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