王道家 本店|今秋、あの名店が柏に帰ってくる! 元吉村家直系店の自家製麺の家系ラーメン @取手市[茨城県]

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元祖仕込みの正統派家系ラーメン
チャーシューメン(5枚)・中盛

いかにも元吉村家直系店らしい、吉村家に近似した外観の家系ラーメンが着丼。

 

元祖より丸みのある豚骨醤油スープ
豚骨醤油スープ

黒い器によく映えるダークブラウンのスープは、醤油感が強めに表れた正統派の家系スープである。吉村家と同様、まろやかでコク深いベースの旨味に、苦味と塩辛さが効いて味わいのアクセントとなっている様態であるが、その効かせ方が吉村家ほど鋭くはなく、抑制されていて穏やかである。吉村家流の鋭い主張感を打ち出した味わいも粋でいいのだが、この店の角がとれて丸みのある味わいも、これはこれで古来尊ばれてきた中庸の思想を具現化したような素晴らしい出来栄えである。

 

自家製の中太麺
中太麺

適度な硬さの中太麺は自家製である。弾力感はさほどでもないのだが、もっちり感がいい感じで、食べた実感としてはなかなか旨い。吉村家などが使用している酒井製麺の中太麺と比べると、若干劣る感じではあるけれども、十分に納得できるレベルには達しているようだ。

 

作り込みがやや手ぬるい感じのチャーシュー
チャーシュー

程良い硬さのチャーシューは、吉村家と同様、燻製されている。味の方もやはり吉村家と同様に淡白な味なのだが、燻製の度合いも、味の淡白さも、いずれも吉村家ほど徹底されておらず中途半端で、作り込みがやや甘い印象を受けた。

 

総括
店頭に掲示された店名

今回訪れた王道家の清水社長は、吉村家創業者の吉村実氏にラーメン店の経営者となるためのノウハウを教わり、尚かつ独立に際し、家系ラーメン元祖吉村家の直系店という一流ラーメン店の証ともいえる名誉ある肩書を与えてもらった。それなのに結局、恩ある吉村実氏を裏切ったわけである。だがしかし、この裏切りは道理に外れる行いだったのだろうか。吉村実氏の弟子は皆、師匠の流儀に盲目的に従うべきなのだろうか。自分はそうではないと思う。もしそのような弟子しかいなかったら、正統派家系ラーメンの未来は閉ざされてしまうだろう。師を乗り越え、さらなる高みを目指す気概を有する人材が現れてこそ、未来も開けるというものだ。その意味で、吉村実氏以後の正統派家系ラーメンの未来を担う中心的存在は、吉村家やその直系店よりもむしろ王道家だったりする可能性もあるのかもしれない。

 

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