ご当地ラーメン探訪｜勝浦タンタンメン #3：勝浦タンタンメン発祥の店、元祖勝浦式坦々麺 江ざわ［千葉県勝浦市］

チャーシュー担々麺・大盛り

赤いスープの上で白ネギの白さがよく映える一杯が着丼。

　

辛さの裏にふくよかな旨味

鈍く煌めく錆色のスープは、常識的な範囲内の激辛。その裏側に控える醤油ベースのスープは、味覚を撫でるようなふくよかな旨味を含有し、いい感じに分散しているミンチと相俟って、なかなかイケてる味わいに仕上がっている。さすが勝浦の筆頭は伊達ではないといった様相だ。

　

もっちり感がやや良好な細麺

程良い硬さの細麺はもっちり感がやや良好で、前回訪れたラーメン松野屋や前々回訪れたはらだの麺と似た感じがした。もしかすると、これらの勝浦タンタンメンの麺は同じ製麺所のものなのだろうか。この点については未確認なのだが、ともあれこの麺はその食感に加えて、出来のいいスープの絡みもまあまあ良くて、食べた実感としては結構旨い。

　

意外なセールスポイント

上に載った白ネギは、スープに浸かると、なんとも乙な味わいに変貌する。旨いスープがたっぷりと絡んで、本来のシャキシャキした食感と薬味に合体したとき、存在感を一挙に増した影の主役が登場してくるかのようだ。

　

柔らかい炙りチャーシュー

ロールチャーシューは軽く炙ってあるので、食べたときにちょっと香ばしいのが、やや粋な感じ。柔らかい食感もいい具合なのだが、食べているうちに次第に少々脂っこく感じられてきた。

　

総括

元祖が断トツに強いご当地ラーメンといえば、白河ラーメンが真っ先に思い浮かびそうだが、勝浦タンタンメンもまたそういう状況になっている。だが今回、元祖の江ざわの勝浦タンタンメンを味わってみて、その人気は元祖であるからこそ、つまり元祖というプレミアが人気の理由であるという論が、必ずしも当を得ないくらいにハイレベルな旨さを実現していることが確認できた。ゆえに土日祝に、他の店で行列に並ばずに勝浦タンタンメンを味わえるにもかかわらず、敢えて江ざわで行列に並ぶというのも、1つの妥当な判断と言えるだろう。