ご当地ラーメン探訪|勝浦タンタンメン #8:豚骨ベースの勝浦タンタンメンが旨い、てっぱつ屋 佐野店[千葉県勝浦市]
てっぱつ屋 勝浦タンタンメン (豚骨ベース)
着丼したラーメンの豪快に盛られた具材に、あっと驚かされた。こういう気合いのこもった一杯に相対すると、こちらも自然と身が引き締まる。
三層構造の味わいのスープ
豚骨ベースの背脂チャッチャ系スープは、辛さは普通もしくは若干控えめといった具合。豚骨系の濃密な旨味を主たるアクセントとし、互いに対極にある程良い辛味と微妙な甘味が、対極よりそこに作用して二重に副アクセントとして機能していて、三層構造のふくよかな味わいを実現している。面白みも感じられ、なかなか粋な美味に仕上がっている。
弾力感・もっちり感がいい感じの麺
適度な硬さの中細麺は、弾力感がまあまあいい具合に表れている。その弾力性より派生するもっちり感も連鎖していい感じで、なかなかイケてる雰囲気の出来栄えである。
柔らかい炙りチャーシュー
軽く炙ってあるチャーシューは、勝浦タンタンメンの元祖江ざわとよく似ている。平凡な作りながら、柔らかくて平凡なりに旨い。
たっぷり野菜
たっぷりと載った野菜もこのラーメンの魅力だ。二郎系みたいに、もやし一辺倒ではなく、メンマも含めて数種混成なのが良い。
総括
今回は敢えて豚骨ベースの勝浦タンタンメンを味わってみたわけだが、てっぱつ屋の場合、甘味と辛味を対置させる甘辛の論理に則って、いわば正攻法でもって従来型のスープの革新に成功している。ゆえに勝浦を訪れたときには、伝統的な醤油ベースの勝浦タンタンメンに加えて、それへのアンチテーゼとも見なせるこの豚骨ベースの勝浦タンタンメンを味わってみるのも、新旧の違い、つまりは勝浦タンタンメンの進歩の成果を知ることができるという意味で興味深いであろう。
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