緊急速報 #4|新型コロナでショッピングモールがヤバイ:2020年4月15日(水)、飯田商店のラーメンを食べに、ららぽーと沼津に行ってきた @湯河原 飯田商店[静岡県沼津市]
醤油チャーシュー麺
昨秋、小田急百貨店 新宿店で開催されたTRYラーメン大賞・フェスティバルでは、約2時間半も行列に並んでようやく飯田商店のラーメンにありつけたのだが、今回は行列どころか、食事中の客さえも見たところ4人しかいない状況だった。よって、究極の醤油ラーメンが呆気ないほど速やかに着丼。
圧巻の喉越し! 至高の細麺
程良い硬さの細麺は、優しげに流れるような柔軟性が特徴。それをシコシコ感・もっちり感が軽くアシストして、あまりにも品の良い典雅な喉越しが実現されている。パーフェクトな麺とはどのようなものなのか、私には知る術はないし、そもそもそんなものは概念上の幻影なのかもしれないが、たとえそうであっても、この麺がパーフェクトに極めて近接していることだけは確実だろう。
脇役に徹する淡麗系スープ
あっさり味の醤油スープは、麺にスポットライトが当たるように、脇役に徹している様相である。出しゃばらず、控えめなスープとはいえ、潜在する旨味のパワーは凄く、後味まできっちりと追い込んでくる。麺に匹敵するくらいの脱帽ものの完成度であると言えよう。
上質かつ上品なチャーシュー
豚チャーシューは脂身の影響で淡白とは言えない感じではあるが、それでもやはり主張が抑制された作りで、スープ共々、主役の麺をサポートして、脇を固める仕様である。とても柔らかくて、また香りが引き立っていて、上々の出来栄えだ。
総括
今回は、ラーメン界では天下第一との呼び声が高い名店中の名店の支店を訪れたわけだが、その超一流のラーメンは重要な示唆を含むものであった。すなわち超一流ラーメンとは、すべてにおいて超一流、つまりパーフェクトなのではない。そうではなくて、超一流である部分を遺憾なく活かしきることによって、超一流たりえているのである。飯田商店の場合、超一流である部分とは、奇跡の喉越しを生む細麺だ。したがって、スープや具は決して麺よりも前面には出てこない。麺よりも一歩下がったところで麺をサポートし、麺の良さを際立たせる。極論すれば、スープと具は麺を一層美味しく食べさせるための従属物でしかない。構成が変われば入れ替えられるべき可換的存在ですらある。こういうラーメンの構成上の重要な鉄則を再認識できたとしても、疫病に罹患するリスクを負う甲斐はあるのだろうかと、自問自答する今日この頃である。