ご当地ラーメン探訪|船橋ソースラーメン #1:伝統の味を守り伝える老舗、中華料理 大輦[千葉県船橋市]
ソースらーめん・大盛り・ハムカツ
焼きそばをそのままラーメンに変換したかのようなユニークな一杯が着丼。
ウスターソース味のスープ
黒く佇むやや濃厚なスープは、お馴染みのウスターソースがそのままスープになったような雰囲気で、さっぱりした酸味を含む豊かな旨味がなかなか粋な風情を醸しつつ、輪郭のはっきりした分かりやすい味わいに仕上がっている。イメージに反し、ユニークなだけではなく、意外に行ける感じの味でまあまあ旨い。
普通っぽい印象の細麺
程良い硬さの細麺は、もっちり感がややいい感じではあるものの、概してオーソドックスで普通っぽい印象を受ける。
サクサク感がちょっと乙なハムカツ
揚げたてのハムカツは、それ自体は平凡な味だが、サクサクの衣がちょっと乙な食感なので、スープにどっぷりと漬けずに、少しだけ浸して食べるのがおすすめ。
総括
今回は、ラーメン界の絶滅危惧種であるソースラーメンを、ほとんど唯一の継承店といった状態になっている中華料理 大輦で堪能したのだが、そのとてもユニークな味わいに触れると、ラーメン界がソースラーメンを失うことはやはり忌々しき事態であるとの思いに囚われ、胸が騒ぐ。というのも、ソースラーメンの存在意義は、ソースラーメンが現在持つ価値だけでは見積もれず、未来においてラーメンの発展に資する分まで含まれると考えねばならないからだ。ソースラーメンがもしも消滅すれば、もう誰もこの独創的なラーメンからインスピレーションを引き出すことも、何某かのヒントを得ることもできなくなる。そのような最悪の事態にだけはならないよう、ラーメン愛好者として切に願う次第。
参考
ウスターソース系のラーメンは、千葉県船橋市でしか味わえないわけではない。実は青森県黒石市につゆ焼きそばというご当地ラーメンがあるのだ。先月、黒石市にあるお食事処 妙光でつゆ焼きそばを味わう機会があったのだが、スープはウスターソース感がソースラーメンよりやや抑制気味であるものの、味の傾向が一致しているので、味わいとしてはソースラーメンとわりと似通っていた。麺は柔らかめで、あまり似ていなかった。参考までに。