北海道ラーメン紀行 #3|麺屋 彩未:食べログにおいて北海道で首位のラーメン店! 札幌ラーメンを代表する名店の1つ[札幌市豊平区]

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味噌らーめん・大盛・チャーシューめん
味噌らーめん・大盛・チャーシューめん

器も含めて絵画的情趣を体現しているかのようで、静物画のモデルにしたらいい絵が描けるのではないかと思えるラーメンが着丼。

 

若干の力不足が意識される味噌スープ
味噌スープ

やや濃厚な味噌スープはかすかに苦味を含む。コク深くて、奥に広がりを持つ高尚な味わいに仕上がっているが、味覚への当たりが若干力不足な印象を受ける。とりわけ後味へ続く最後の一押しが緩む感じなのが、弱みとなっているようだ。

 

コシがいい感じの細麺
細麺

札幌らしい黄色を帯びた縮れ細麺は、適度な茹で加減で、コシの良さを前面に打ち出した仕様。したがって弾力感が良好で、まあまあ優れた出来である。

 

ごく平凡なチャーシュー
チャーシュー

チャーシューはごく平凡な作りで、褒めるべきところも、けなすべきところも見当たらない無難な出来である。

 

総括
麺屋 彩未

今回は、食べログで北海道のトップのラーメン店麺屋 彩未で、札幌ラーメンの典型ともいえる味噌ラーメンを味わったわけだが、その人気と評判からすると、完全に肩透かしを食う結果となった。それ以前にも麺屋 彩未と同じすみれ系のTRY大賞みそ部門殿堂入り店の大島で肩透かしを食っていたので、ある程度の予期はしていたけれど、こうも悪い予感が的中してしまうと、ラーメン愛好者としては決して気分がいいものではない。とはいえ、このように人気と評判が先行してしまい、味が追いついていない事例は、ラーメン界では決して珍しいことではない。とても分かりやすい例としては、喜多方の坂内食堂がある。札幌ラーメン、博多ラーメンと並び、三大ご当地ラーメンに数えられる喜多方ラーメンの代表格である坂内食堂は、喜多方ラーメンの絶大なブランド力から、最大限の恩恵を受けられる立場にある。黙っていても客が大挙して押し寄せてくる。そうなると、ラーメンを改良しようとか、新しいラーメンを開発しようとかいうモチベーションは起こりえなくなるだろう。その結果どうなるかは、坂内食堂とどこかの超一流ラーメンを食べ比べれば、簡単に分かる。これと同じ現象が、札幌ラーメンにおいても多かれ少なかれ生じていると推測できる。このことに関し、先月旭川でラーメンを食べ歩いていたときに、地元のラーメン通と話す機会があって、大きな示唆を得ることができた。すなわちその人はすみれやそれと同系統のさっぽろ純連の味噌ラーメンを馬鹿にしつつ、らーめん玄という旭川にある無名のラーメン店を教えてくれたのだ。それでそのらーめん玄で辛味噌ラーメンを味わったとき、もやもやと立ち込めていた霧が晴れたみたいに、私は妙に腑に落ちた気分になったものだ。なんとなれば、何のブランド力も持たず、まさに味一本で勝負するしかないらーめん玄の辛味噌ラーメンは、直感的で平明な旨さを突き詰めた激旨で、確かにすみれ麺屋 彩未を見下せるレベルに達していたのだから。

 

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