北海道ラーメン紀行 #4|らーめん侘助:北海道を代表する煮干しラーメンの名店、その実力は想像以上[札幌市東区]

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醤油らーめん・麺大盛り・チャーシュー増し
醤油らーめん・麺大盛り・チャーシュー増し

あたかも店名を象ったかのごとく、どこか侘び寂びの心を映じた風な一杯が着丼。

 

圧巻の煮干しスープ
醤油スープ

濃厚な醤油スープは、非常に多彩で厚みのある旨味が味覚を撫でるような味わいに仕上がっている。そこに煮干しの風味が程良く効いて、微妙な苦味がとても乙な風情で表れているとともに、微かな柚子の風味が粋に添えられ、言わば美味の錦を広げたような味の舞台に、主役の煮干しと脇役の柚子を踊らせるかのごとき趣向となっている。まさに絶妙にして圧巻とは、このことか。

 

概して平凡なチャーシュー
チャーシュー

チャーシューは概して平凡な作り。2020年5月18日(月)に訪れたときは、とても柔らかい食感が印象的であったのだが、2020年6月15日(月)に再び訪れて同じラーメンを味わったときには、程良い歯応えを有したものに変わっていた。いずれにしても、平凡な作りながら、まあまあいい感じの出来。

 

パツパツの低加水麺
中細麺

若干硬めの茹で加減の中細麺は、煮干し系の定番、パツパツの低加水麺だ。弾力感ともっちり感がとても良く、またスープとの相性もバッチリで、かなり旨い。

 

総括
店舗の看板

今回は、札幌のビブグルマン店らーめん侘助の本領が発揮された煮干しラーメンを味わってみて、その結果、茨城県つくば市の煮干しラーメンの泰斗中華ソバ イチカワに迫るほどの激烈な旨さに感動させられることになった。すると、改めて札幌では味噌ラーメンを選ぶべきなのかという論題が浮き彫りなった。無論、札幌を訪れる機会が多くある人には、このことは問題とならない。札幌を滅多に訪れることがないラーメン好きにとってこそ、重大な問題なのだ。そういう人にとって、味わうことが可能な杯数をどのように配分するかは非常に難しい。例えば仮に3杯しか食べられなくて、しかも次に札幌を訪れるのはいつになるか分からないケースを想定するなら、皆さんはどう判断するだろうか。心情的には札幌名物の味噌ラーメンを最低1杯は食べることを薦めたいところだが、自分なりに客観的な判断を下すとすれば、その配分は否定されねばならない。実は、当サイトでも近いうちに順次紹介する予定だが、札幌にはらーめん侘助以外にも全国トップクラスのラーメン店が3店あると思われる。すなわち麺屋 菜々兵衛MEN-EIJI HIRAGISHI BASE麺屋 高橋で、これらはいずれも味噌ラーメンを看板メニューにしていない。また一方で、札幌風の味噌ラーメンなら、東京の大島、横浜のすみれ 横浜店、大阪のらーめん颯人など、道外でもわりと容易に味わえる。ゆえに先のケースでどの店に行くべきか、私が問われたならば、こう答えるに違いない。「味噌ラーメン店には行くべからず。そして3杯ではなく、無理してでも4杯を、上記の4店で味わうべき」だと。

 

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