北海道ラーメン紀行 #10|いそのかづお:すすきので人気の真っ黒なラーメン、その名も札幌ブラック![札幌市中央区]

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札幌ブラック・大盛
札幌ブラック・大盛

私が千葉県から札幌に転居してまだ2週間余りだったという事情もあって、千葉県のご当地ラーメンの竹岡式ラーメンが脳裏をよぎるような黒々しい一杯が着丼。

 

スープはマー油の効いた濃厚な美味
黒々とした醤油スープ

マー油の風味がよく効いた真っ黒いスープは、見た目ほど濃密ではないが、味わいは濃厚。重厚な旨味に、軽やかに踊っているかのような苦味と、たっぷりのニンニクの風味が作用して、とても美味に仕上がっている。

 

麺は個性があるが、旨さはそこそこ
太麺

適度な茹で加減の太めの縮れ麺は、幾分スープを吸っている模様。弾力感ともっちり感の中間のような食感がいい具合に出ていて、若干プリッとした食感もあって、なかなか特徴的で個性の表れた麺ではあるが、旨さはそこそこといったところ。

 

ありふれた作りのチャーシュー
チャーシュー

チャーシューは昔ながらのありふれた作りで、至極平凡。平凡なりにそこそこは旨い。

 

総括
いそのかづお

今回は、すすきのの人気店いそのかづおで、黒々としたスープの名物ラーメンを味わったのだが、一にも二にもスープという風にスープの秀逸さだけが光り、逆に言うとスープ以外は大したことのないラーメンであった。このラーメンを行列を成してまで求める人々がいるというのは、にわかには信じ難いことであったが、現にこの店には行列ができるのだ。どうしてなのか。その根拠を私の浅識をして考えたとき、あまりに根拠が希薄で謎めいていて、いそのかづおという磯野カツオをもじった店名と、札幌ブラックといういかにも名物めいたメニュー名のネーミングセンスに一端を帰着させるくらいのことしか思い浮かばなかった。とは言うものの、ラーメン店にとっては店名は意外と重要かもしれない。芸能人などと同じでラーメン店も“目立ってなんぼ”みたいなところがあるのは、例えば大阪市淀川区のくそオヤジ最後のひとふりとか、同じく大阪市淀川区の人類みな麺類などの人気と知名度を見ると、なんとなく想像がつく。いそのかづおの場合も、その店名によって人気にブーストがかかっている可能性は、必ずしも否定できないであろう。しかも加えて、ちょっと鮮烈なイメージを喚起しないこともない札幌ブラックである。まあ行列ができるくらいのブースト効果を見込んでいいネーミングセンスとも言えるかもしれない。

 

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