北海道ラーメン紀行 #11|麺処まるは BEYOND:ミシュランプレート店で味わう、正攻法の味噌ラーメン[札幌市豊平区]

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背脂みそ・大盛り
背脂みそ・大盛り

器を縁取る丸の紋様にこだわりが感じられる。その器に入った何気ない札幌風の味噌ラーメンが着丼。

 

スープは素直な旨さがイケてる
味噌スープ

味噌スープは、味覚のストライクゾーンに直球を投げ込んでくるかのような素直な味わい深さが好感を持てる。オーソドックスながら、そつなく仕上げて、基本構造がしっかりしている感じのミシュランプレートらしい出来で、結構旨い。

 

もっちり感がいい感じの麺
細麺

札幌風の縮れ卵麺の細麺は、適度な茹で加減で、もっちり感がいい具合に表れている。札幌ではありふれたタイプの麺で、さほど個性的ではないものの、これはこれでわりと良好な出来である。

 

量の少なさが気になるチャーシュー
細切れのチャーシュー

チャーシューは昔ながらのごく平凡な作りなのだが、かなり柔らかくて、まあまあ旨い。ただし、追加トッピング無しのデフォルトでは量がとても少ない。私の個人的な感想としては、量が少な過ぎて食べた気にならなかった。これでは、あってもなくても同じようなものだという気もした。

 

総括
店舗に掲示された店名

今回は、ミシュランガイド北海道2017特別版で現在言うところのミシュランプレートに相当する調査員おすすめの店に選ばれた名店麺処まるは BEYONDを訪れ、札幌らしい味噌ラーメンを味わったのだが、正攻法の札幌ラーメンとでも言ったらいいだろうか、奇を衒わない堂々とした作りの秀逸な一杯であった。まさにミシュランプレートと評するに相応しい逸品であったわけだが、ただ一点、チャーシューの量の少なさだけがちょっと引っかかった。チャーシューなんて、トッピングで量を増やせるから、デフォルトの量はどうだって構わないという考え方も確かにあるだろう。しかしそれは店側の視点に立った論理であって、客側からすれば、いくらトッピング無しのデフォルトだからといって、細切れのチャーシューを申し訳程度にちょびっとだけ載せたようなラーメンを見れば、「この店はケチ臭い」というイメージを持つ人が、半ば無意識的な場合も含めて、何割かいるのではなかろうか。そんな危惧は私の思い過ごしかもしれないが、麺処まるは BEYONDの実力と人気を、その前日に訪れた行列店のいそのかづおの実力と人気と比較して勘案すると、意外にそうした吝嗇のマイナスイメージが人気に対してボディブローのようにダメージを与えている可能性もまた否定できないように思える。

 

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