北海道ラーメン紀行 #13|175°DENO担担麺 本店:東京進出も果たした新進気鋭の担担麺専門店[札幌市中央区]

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汁なしシビれない・小ごはん・温泉玉子
汁なしシビれない・小ごはん・温泉玉子

寂寞とした風情の和風の器に、四川風担担麺を盛り、和の心と四川の心を折衷したかのような艶やかにして侘しげな一杯が、付属の品を伴って着丼。

 

理想的な平打ち麺
平打ち麺

適度な茹で加減の平打ちの太麺は、もっちり感が非常に優れている。かつタレの絡みが良いので、汁なし担担麺の麺としては理想型に近いだろう。

 

麺とタレの抜群のコンビネーション
辛さ控えめの胡麻スープ

もっちりした平打ち麺に絡むのは、口当たりまろやかで、香り芳醇、そして旨味ふくよかな濃厚タレ。程良い胡麻の風味もいい感じに効いている。秀逸な麺に、このタレが合わさり、コンビネーションが抜群。まことの激旨に出来上がっている。

 

追い飯と温泉玉子で満足度UP
小ごはん・温泉玉子

麺を食べ終えたら、残ったタレに名古屋風に追い飯を入れ、ついでに半熟玉子も入れてみた。これがなかなか旨くて、存分に満足できる〆となった。

 

総括
ビルの壁に設置された175°DENO担担麺の看板

今回は、新進気鋭の担担麺専門店175°DENO担担麺の札幌にある本店で、汁なし担担麺を痺れなし・辛さ控えめの旨味優先型で味わったのだが、味覚に押し寄せる怒濤の旨味には全く以て感服させられることになった。その上さらに追い飯と半熟玉子の〆の心憎いほどの旨さ。ゆえに大体において文句なしの完成度であったのは、確かである。しかしながら、私には175°DENO担担麺を手放しで称賛していいようには思えなかったのだ。そこはかとなく漂う違和感が、この店を超一流だと認めることに待ったをかけていた。そしてその違和感は何なのだろうかと、考えた詰めたとき、ハッと気づいた。この担担麺からはオーラが出ていないと。私が時折、超一流店でオーラを感じる際、それは料理の客観的な完成度に基づくのではなく、あくまで私自身の私的な心の作用に依る。オーラとは私の心を投影した写像でもあるわけだ。心が料理にシンクロし、オーラを描き出すのだ。そのオーラが出ていないということは、つまりは私の心がこの担担麺の旨さに真に呼応していないということ。そういえば、私は確かに旨さに感服はしたが、感動することはできなかった。なぜ、こんなに激旨の担担麺が私の心を揺り動かすことがなかったのか。その理由は、日常の経験から皆さんにももうお解りのことであるかもしれない。要は想定範囲内であったのだ。激旨の汁なし担担麺とはこんな感じだろうと推測できる程度の激旨を、既存のイメージをなぞるかのように味わったにすぎなかったのだ。そこには想定を超えるような驚きはなく、私はクールに旨さを分析して、激旨だと判断しただけだった。激旨であることには間違いがない。されど、なんとなくつまらない感じがする激旨。それが今回の担担麺であった。

 

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