東京駅一番街15周年記念 特別メニュー #4|六厘舎:六厘舎特製餃子つけめん @東京ラーメンストリート[東京都千代田区]

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六厘舎特製餃子つけめん・大盛
六厘舎特製餃子つけめん・大盛

相変わらず極太麺の見た目の質感が素晴らしいつけ麺が着丼。

 

やや雑味感のあるつけ汁
濃厚魚介豚骨スープ

濃厚魚介豚骨スープのつけ汁は、六厘舎の通常のスープに、餃子の風味とわりと強めの辛味を追加したような作り。餃子の風味はちょっと面白味があるものの、それ止まりで旨さを向上させるほどまでには至らない感じである。当然ながら重厚な旨味がガツンと来る味わいで、結構旨いスープなのだが、餃子の風味が加わった代償として、やや雑味感が生じてしまっている。結局のところ、通常のスープから微妙にレベルダウンしている感じだ。それでも今しか味わえない特別なメニューなので、食べてみる価値は十分にあるだろう。

 

極上の出来栄えの極太麺
極太麺

適度な茹で加減の極太麺は、コロナ禍以前より出来が良くなっている模様。弾力性が抜群に良好で、派生的なもっちり感もいい感じで、上の上といった出来栄えである。しかしコロナ禍が終息したら、元に戻って質が低下する懸念が、完全には払拭できない。

 

作り込み不足感のあるチャーシュー
チャーシュー

チャーシューは歯応えが普通にある作りで、ごく平凡。だが、麺やスープと比べると、明らかに作り込みが足りない様相を呈し、完成度に大きな落差があるのが気になる。

 

つけ麺の醍醐味、スープ割り
卓上の調味料類

麺を食べ終えたら、残ったつけ汁をスープ割りにして〆よう。この店の場合、カウンター席ならセルフで、テーブル席なら店員に言って、スープ割りにできる。卓上の六厘舎焙煎黒七味とゆず粉を加えると、とても風味が良くなるのでオススメ。ただし、セルフでスープ割りにするときは、スープを入れ過ぎると不味くなるので注意しよう。

 

総括
店舗に表示された店名

今回は、外国人観光客にとっては日本を代表するラーメン店とも言える東京ラーメンストリート六厘舎で、東京駅一番街15周年記念 特別メニューのつけ麺を味わったのだが、特別メニュー云々よりも、そのチャーシューの凡庸さこそが甚く意識されたのだった。六厘舎といえば全国屈指の濃厚つけ麺の名店で、かつ第10回TRY大賞に輝いた実績も持ち、超一流のラーメン店であることは論を俟たないのだと、このときまでは思っていた。しかし、その辺の二流・三流店と同じ程度のチャーシューを出すような店を超一流であると認めていいのだろうかと、疑念が芽生えたことを率直に告白せねばなるまい。もちろん、いかに超一流の優れたラーメン店であろうとも、すべてにおいて完璧なラーメンなど作れるわけがない。当然ながら得手不得手がある。それでも、超一流店ならば、それ相応に不得手を克服していなければならない。不得手を不得手のまま放置しているかのごとき店は超一流ではないと、どうしても思えてならなかった。だが考えてみれば、六厘舎がTRY大賞の栄冠を掴んだのはもう11年も前のこと。次々と実力のある新参者が頭角を現し、ヒエラルキーの構成が激しく変遷していくラーメン業界で、11年もトップグループに居続けるなど無理な話であり、盛者必衰の世の摂理もそんなことは許さない。六厘舎もまた過去の名店になってしまったのかなと、なんだかちょっと寂しい気持ちで思った、しとしとと雨の降る土曜日であった。

 

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