ビブグルマン巡り|東京2020・ラーメン #16:5年連続ビブグルマンの『らぁめん小池』で堪能する淡麗系煮干しラーメン @上北沢[東京都世田谷区]

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特製 煮干しラーメン
特製 煮干しラーメン

丸い鶏のつくねと、丸い味玉と、丸い薄切りチャーシューの塊が仲良く並ぶラーメンが着丼。

 

とてもあっさりしたスープ
煮干しスープ

煮干し醤油スープはとてもあっさりした淡麗系の薄味で、煮干しの苦味はほとんどない。出汁の奥深い味わいに、刻み玉葱のシャキシャキ食感が加わって、なかなか秀逸である。しかしながら、2号店の中華蕎麦にし乃の圧巻のパワーを有するスープと比べれば、明らかに見劣りする。

 

シコシコ感の良さが目立つ麺
細麺

適度な茹で加減の細麺は、中華蕎麦にし乃とまったく同等で、麺の縁の角張りがはっきりした、エッジの効いた仕様。シコシコ感がとてもいい感じに表れていて、柔軟性もなかなか良好である。というように、特徴をよく打ち出した、わりと秀逸な麺である。そうは言っても、構成上の中軸に据えるには存在感が一歩足りていない様相であるのだが、この麺が前面に立つ構成となっている。

 

素晴らしい出来栄えの具材
チャーシュー・鶏のつくね

主な具材はチャーシューと鶏のつくねである。チャーシューはしっとりとした上品な柔らかさが非常に素晴らしく、また質感も上々で、とても旨い。鶏のつくねは軟骨が入っている。コリコリした粋な食感に、香草の乙な薫りが合わさって、なかなか洒落た風情を醸しつつ、味の方も品のいい旨さ。納得できる逸品だ。以上のように、このラーメンは具材の完成度がかなり高い。

 

総括
店舗の看板

今回は、5年連続ビブグルマンのらぁめん小池で、店主一推しの煮干しラーメンを味わったのだが、各要素間のバランスがどうもしっくり行っていないような不協和音をいささか感じることとなった。各要素を個別に見れば、麺もスープも秀逸で、具材はそれらに輪をかけて秀逸なわけで、要素自体に大きな欠点はない。ところが、それらをどんな構成に組み上げているのかといえば、あっさり味のスープが背後へと沈み、麺と具材が競うように前面に出張ってくる様態となっている。しかもイメージの統一性がないので、麺・チャーシュー・つくねのアピール力のベクトルがバラバラの方向を指している。これでは、食べる側の焦点がどこにも合わず、アピールポイントがぼやけることになる。というわけで、このラーメンは、系列店の中華蕎麦にし乃の圧巻のスープを大黒柱に据えたラーメンとは、比肩できない完成度に留まるようだ。

 

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