ビブグルマン巡り|東京2020・ラーメン #18:ミシュランガイド東京2020に掲載のラーメン店の中で唯一、店主が女性! らぁめん 一福 @初台[東京都渋谷区]

最終更新日

味噌らぁめん・大盛・味玉
味噌らぁめん・大盛・味玉

特に変わったところのない、ごく普通の見た目の味噌ラーメンが着丼。

 

自制的なおとなしい味わいのスープ
味噌スープ

味噌スープは、結構ブレーキを効かせた自制的な味わい。味噌系に淡麗系のコンセプトを援用している可能性も考えられるが、もしそうだとしたら、あまり成功しているとはいえないようだ。ともあれパワー不足感を伴うおとなしい味わいだが、それなりに味わい深さもある。

 

概して特徴の目立たない麺
中細麺

適度な茹で加減の中細麺は、ややもっちり感が良好ではあるものの、概して特徴が目立たない仕様。この麺自体はまあまあの出来といったところ。

 

とても柔らかいチャーシュー
チャーシュー

チャーシューはとても柔らかくて、味は淡泊。見た目の印象とは裏腹に、優しげなイメージで仕上げられていて、なかなか良好な出来である。このラーメンの中では、このチャーシューにセールスポイントがある感じがする。

 

総括
店舗の看板

今回は、4年連続でビブグルマンに選ばれている名店らぁめん 一福で、看板メニューの味噌ラーメンを味わったが、率直に述べれば、ミシュランガイド東京2020の他のビブグルマン店のラーメンと比べると、一枚落ちる感じの旨さであった。東京にはもっと旨い味噌ラーメンを出す店が何軒もありそうだし、例えば味噌ラーメンの聖地の札幌に行けば、それこそ何十軒もこの店を超える店があるだろう。それなのにミシュランガイドがこの店をビブグルマンに選び続ける理由は、ミシュランガイド東京2020がはっきり言及しているように、やはり“おふくろの味”みたいだという点に尽きるのだろう。私は団塊ジュニア世代なのだが、自分の母親と同じくらいの老齢の店主が、行列を成して押し寄せる客に対応して厨房で忙しく立ち回って重労働をこなしている姿を見ると、少し胸にジーンと来るものがあった。もしかしたら、ミシュランの調査員も私と同世代の男性なのかもしれない。人の情として、この店を推したい気持ちはよく分かる。しかし一方で、グルメ情報における権威であるミシュランガイドが、年齢や性別、あるいは個々人によって受け止め方が異なるような曖昧な概念を持ち出してきて評価していることには、いささか疑問を感じた。

 

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