東京駅一番街15周年記念 特別メニュー #6|つじ田 味噌の章 東京駅店:味噌まぜそば @東京ラーメンストリート[東京都千代田区]

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味噌まぜそば
味噌まぜそば

半熟玉子と2種類の調味料が付属したまぜそばが着丼。

 

半熟玉子は自分で割る
半熟玉子

付属の半熟玉子は客自らが割らねばならない。この辺のサービスの悪さは、某牛丼チェーン店と同じだ。

 

もっちり感が非常に素晴らしい麺
中太麺

適度な茹で加減の中太麺は、もっちり感が非常にいい具合に表れていて、まさにまぜそばの麺かくあるべしといった風な出来。台湾まぜそばの元祖の麺屋はなびはテポの中で麺の表面に傷をつけて、麺に粘りを与え、あの優れたもっちり感を生み出すそうだが、この店も同じ技を使っているのではないかと見紛うほどだ。

 

まったりとした、まろやかな味わい

半熟玉子を入れてよく混ぜてから味わうと、なんともいい感じにまったりとした、まろやかでふくよかな味わいになり、激旨と言っても過言ではないだろう。しかしながら同時にまた、えも言われぬ陳腐な雰囲気も漂っていて、とても旨いのに、その旨さは心にまで響いてくる感じではないのだ。おそらくは、目新しさや驚きを欠いているがゆえの、ある種の白けた気分が喚起されるからだろう。それで、付属の辣油と酢を使って味変してみたのだが、焼け石に水といったところ。根本的な部分を変えなければ、陳腐さを除くことは不可能であると思われる。

尚、このまぜそばには山椒が含まれている。痺れが苦手な私でも気にならない程度の微量だが、たとえ微量でも駄目な人は、食券を店員に渡すときに言えば山椒を抜いてくれる。

 

総括
店内の陳列物

今回は、濃厚つけ麺の名店つじ田の系列の、東京ラーメンストリートにある味噌ラーメン専門店で、味噌ベースのまぜそばを味わったのだが、これはこれで及第点は十分にクリアしている感じで、一応は納得のいく仕上がりであった。それにしても東京ラーメンストリートに来て思うのは、つじ田はよくもまあこんな好立地の出店場所をあの六厘舎からせしめたものだということだ。日本中から、そして世界中から客が訪れ、非常に注目度の高いラーメンスポットである。その集客力もさることながら、その宣伝効果も馬鹿にならない。それもこれも本を正せば、現在東京ラーメンストリートがある場所で2000年12月に開業したラーメン激戦区“東京編”が結局失敗に終わったのを受けて、2009年6月に再起を期したことに始まるわけで、六厘舎を筆頭に初期の参入店が東京ラーメンストリートの評判を高め、知名度を上げるために努力してきたからこそ、ラーメン激戦区“東京編”とは真逆の大人気のラーメンスポットに成長することができたのだ。言うなれば、つじ田六厘舎などが長年かけて積み上げてきた名声に便乗する形で宣伝効果まで手に入れたことになる。これを逆に六厘舎の側から見れば、自らが東京ラーメンストリートに付け加えてきた付加価値を、こともあろうにライバルのつじ田に掠め取られてしまったにも等しい。生き馬の目を抜くとは、古くから言われるが、まさにラーメン界とはそういう世界なのだろう。だからこそラーメン界は面白いのだとも、言えるのかもしれない。

 

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