北海道ラーメン紀行 #17|ラーメン木曜日:衝撃のコスパ! ワンコインで味わえるビブグルマンラーメン[札幌市中央区]

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煮干し正油・麺大盛り・トッピング全部
煮干し正油・麺大盛り・トッピング全部

なぜか刻み葱が別皿になったラーメンが着丼。どうやらトッピングの全部載せをすると、コスパが低下してしまうように見える。やはりデフォルトのワンコインラーメンを注文するのが、この店では本筋となりそうだ。

 

無難な出来の煮干し系スープ
煮干し醤油スープ

醤油スープは煮干しの風味がそれなりに効いていて、多少の苦味を含有する。苦味の背後にあるベースはあっさりした味わいで、素朴な風情を醸し、至極無難な感じである。ということで、まあまあの出来といったところ。尤もこの店は札幌の中心街辺りにあるので、田舎風の素朴な風情が似合うわけではないのだが。

 

もっちり感がわりと良好な麺
中細麺

適度な茹で加減の中細麺は、もっちり感がわりといい具合に表れていて、なかなか良好な出来である。

 

平凡な燻製チャーシュー
チャーシュー

チャーシューは燻製にしてある。作り自体はごく平凡であるが、平凡なりにそこそこは旨い。

 

総括
店舗の看板

今回は、ミシュランガイド北海道2017特別版でビブグルマンに選ばれた名店ラーメン木曜日で、コスパにとても秀でたラーメンを味わったのだが、味的には特にアピールポイントが見当たらず、凡庸に毛が生えた程度の煮干しラーメンであった。こういうラーメンがミシュランガイドで紹介されていることが腑に落ちないので、改めてビブグルマンの定義を思い出してみると、良質な食材で丁寧に仕上げてあり、価格以上の満足感が得られる料理を、6,000円以下で楽しめる店ということである。現在の基準は6,000円であるが、ミシュランガイド北海道2017特別版が刊行されたときは5,000円か3,500円であったと思われる。それでは、ラーメン木曜日のワンコインラーメンがこの定義に当てはまるのか検討してみると、良質な食材を使っているかどうかは私には確認のしようがないから、そこはミシュランの調査員を信用するとして、確かにこのラーメンは丁寧に仕上げてある。また、普通なら700円ぐらいしそうな煮干しラーメンをワンコイン500円で味わえるということで、確かに価格以上の満足感が得られる料理を6,000円以下で楽しめる。以上のようにまったく問題なくビブグルマンの定義に合致するのであるが、しかしこれでは価格以上の満足感を生み出す手法を2通り許容してしまうことになり、むしろ大問題ではなかろうか。すなわち料理人としての優れた手腕によって旨さを高めることで満足感と価格の間に差をつける場合と、料理の旨さでアドバンテージを出せないために価格を下げることで満足感と価格の間に差をつける場合である。もちろんラーメン木曜日は後者に該当するわけだが、そもそも料理の旨さで勝負できずに価格勝負をせざるをえないような店を、世界的に権威のあるグルメガイドが紹介して何の意義があるのだろうか。

 

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