北海道ラーメン紀行 #20|麺屋雪風 すすきの店:札幌ラーメンを代表する名店の1つ[札幌市中央区]

濃厚味噌らーめん・大盛り・トッピングのチャーシュー
濃厚味噌らーめん・大盛り・トッピングのチャーシュー

我々が持っている札幌ラーメンのイメージにピタリと嵌まったようなラーメンが着丼。

 

至極無難な味わいのスープ
味噌スープ

濃厚な味噌スープは、まろやかな口当たりで、奇を衒わない素直な味。それなりに旨いのだが、あまりにも無難に小ぢんまりとまとまっていて、つまらない印象もまた受ける。

 

札幌で主流の黄色い卵麺
細麺

いかにも札幌ラーメンといった風な黄色い縮れ細麺は、適度な茹で加減で、弾力性がややいい感じ。また派生的なもっちり感も多少表れていて、そこそこ良好な出来である。

 

凡庸な出来のチャーシュー
チャーシュー

チャーシューは部分的にとても柔らかかったりもするが、作りは概して普通で、凡庸の域を出ない感じ。

 

総括
店頭の掲示物

今回は、札幌の繁華街すすきのにある人気ラーメン店の麺屋雪風で味噌ラーメンを味わったのだが、それは札幌ラーメンとして我々がイメージする通りの、まさしく札幌ラーメンの典型のようであった。ラーメン愛好者にとっては、その手のラーメンはあまり面白味が感じられず、興醒めなのだけれど、だからといって麺屋雪風を批判するのは全く以て的外れであろう。なぜなら、麺屋雪風が想定する客層は、第一に観光客であると思われるからだ。観光客は当然ながら観光を目的に札幌に来るわけで、麺屋雪風を訪れるにしても、ラーメンそれ自体は主たる目的ではなく、あくまで観光に従属する二次的な目的である。したがって、札幌観光の趣意に沿った札幌らしいラーメンこそが求められることになる。また同様に、観光客に次ぐ見込み客、すなわちすすきのに遊びに来る人々にとっても、ラーメンは二次的な目的にすぎない。それなりに旨くて、空腹を満たしてくれさえすれば十分であり、それ以上を期待したりしないだろう。ゆえに私等のごときラーメンを目的にやって来るごく一部の客に合わせて、仮に独創的でハイレベルなラーメンを開発したとしても、つまるところ経済的合理性にそぐわないのみならず、せっかくの典型的な札幌ラーメン店であるという重要なイメージをも歪めかねず、悲しき哉、百害あって一利もないに違いない。

 

1 2

シェアする