北海道ラーメン紀行 #25|DUCK RAMEN EIJI:2020年後半から多店舗化を推進している『MEN-EIJI』グループの、鴨ラーメン専門店[札幌市東区]

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DUCK醤油・大盛り・鴨肉増し(4枚)
DUCK醤油・大盛り・鴨肉増し(4枚)

鎮座する鴨チャーシューが味覚中枢に奇天烈に働きかけてくるようなラーメンが着丼。

 

小気味よいパワーを秘めた激旨スープ
醤油スープ

清湯の醤油スープは、味覚に触れるや、一瞬ブレーキを踏んだところから一気に加速してくるような小気味よい力強さがキテる感じ。ふくよかで奥深い旨味が、スープ中に分散したミンチと相俟って、とても美味に仕上がっている。

 

もっちり感が絶妙な細麺
細麺

適度な茹で加減の細麺は、弾力性を包含したようなもっちり感がなかなか絶妙で、上出来。スープ中心の構成上のバランスに配慮してか、主張をセーブしている雰囲気があって、MEN-EIJI HIRAGISHI BASEの麺よりもおとなしい作りである。ただしちょっと気になったのは、麺をすすった後に来る小麦由来の香りで、鴨の風味を主軸とする全体的イメージから微妙にズレているような印象が残った。

 

地味な旨さの鴨チャーシュー
鴨チャーシュー

鴨チャーシューは淡白な味で、良くも悪くもない凡庸な食感である。見た目では「圧倒的に食べたい」と思わせるアピール力を持つのに、実際の旨さは地味で、麺とスープの陰で端役的存在感しか発揮しえない様相。

 

総括
店舗の入口

今回は、ミシュランガイド北海道2017特別版でビブグルマンに選ばれた名店MEN-EIJI HIRAGISHI BASEのセカンドブランドのDUCK RAMEN EIJIで、鴨を使用した醤油ラーメンを味わったのだが、MEN-EIJI HIRAGISHI BASEの究極の完成度の魚介豚骨ラーメンには及ばないものの、抜群の出来栄えのスープを主役にしたハイレベルな逸品であった。というようにMEN-EIJIグループはとても優れたラーメンを作るわけで、その技術力を武器に2020年8月以降、フランチャイズ店と近日オープンする店も含めると、グループの店舗数を一挙に2店から8店にする拡大策に打って出た次第である。けれども、コロナ禍が未だ終息の兆しも見せない中でのこの経営判断は、どうなのであろうか。むろん未来は誰にも正確には分からないし、この拡大策が成功する可能性もあるだろう。しかしこれで少なくとも、今雌伏して時が来るのを待てば負わずに済んだ余計なリスクを、負う羽目になったことは確かであろう。

 

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