北海道ラーメン紀行 #26|スパイスラーメン 点と線. 狸小路店:札幌名物のスープカレーをラーメン化! その名もスパイスラーメン @狸小路[札幌市中央区]

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スペシャルスパイスパクチーラーメン
スペシャルスパイスパクチーラーメン

たっぷりと野菜類を載せて、一種独特の見栄えの良さを顕示し、期待感をかき立てるようなラーメンが着丼。

 

スープカレーそのもの
カレースープ

スープは札幌名物のスープカレーそのものといった様相。まろやかでコク深い味わいではあるものの、味覚への当たりが弱く、訴求力不足が否めない感じである。ゆえにラーメンのスープとしても、あるいはスープカレーとしても、いささか物足りない。

 

そこそこの出来の多加水麺
細麺

適度な茹で加減の細麺は、若干プリッとしていて、多加水麺っぽい作り。もっちり感が少しいい具合に表れていて、やや良好な出来である。

 

野菜の下に至極平凡なチャーシュー
ゴボウ

たくさん載っている野菜のうちでも、スープから飛び出て立っている3本のゴボウが、特に目を引く。所詮ゴボウなので旨いとまでは言えないけれども、乙な風情でなかなか面白みがあり、意外と行ける感じである。ちなみにラーメンにゴボウを載せる点には、北海道外の感覚からすれば独創性を認めたくなるかもしれないが、札幌には他にも例えばMEN-EIJI HIRAGISHI BASEとか、雨は、やさしくとか、ゴボウを載せる有名ラーメン店があるので、そこに独創性と呼べるほどのオリジナリティはないと見るべきであろう。また、野菜の下にチャーシューが隠れている。既製品風のとても平凡なチャーシューで、それ自体に問題はないものの、全体的イメージとの調和に齟齬がある感じがするため、やや頓珍漢な印象を受ける。

 

総括
店頭に置かれた看板

今回は、札幌名物のスープカレーのチェーン店が手掛けるラーメン店で、スパイスラーメンを称するラーメンを味わったのだが、見た目のアピール度の高さに対して旨さの水準が釣り合っておらず、ズバリ言ってしまえば見かけ倒し的な面のある期待外れなラーメンであった。そういう外観と味の不均衡も気になるところなのだが、それ以上にこのラーメンで引っかかるのは、やはりスパイスラーメンというネーミングであろう。スパイスラーメンと標榜されると、客としては新ジャンルの斬新なラーメンなのではないかと想像が膨らみ、期待を煽られる。ところが実際は札幌名物のスープカレーに中華麺が入っているだけで、従来からあるカレーラーメンの範疇を超えるものではない。全然、斬新ではなく、高まった期待感は見事に空振りに終わってしまうわけだ。詰まるところ、今回のラーメンはそのネーミングと見た目で2度、客の期待感を焚き付けながら、2度とも期待を裏切る結果を招来し、言うなれば二重の落胆を伴うラーメンとも評せるであろう。

 

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