北海道ラーメン紀行 #32|えぞらーめん 勝二:ニセコのビブグルマン店で味わう、激旨味噌ラーメン[北海道磯谷郡蘭越町]

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角煮ら〜めん 赤みそ・大盛
角煮ら〜めん 赤みそ・大盛

札幌ラーメンに馴染んでいる者にとっては、見た目がなんとなく田舎っぽくて、野暮ったく感じられそうな味噌ラーメンが着丼。

 

重厚にして奥深い激旨スープ
味噌スープ

濃厚な味噌スープは、重厚にして奥深い旨味が第一印象から後味に至るまで常にそつなくしっかりと味覚を虜にしようする。言うなれば序破急の心をわきまえたような非常に優れた作りで、まさしく激旨。当時札幌に住んでいて、札幌ラーメンに慣れ親しんでいた私にとっては、札幌ラーメンのブレンド力に守られた味噌ラーメンとは一線を画する、真に味一本で勝負している味噌ラーメンのスープの実力をまざまざと見せつけられた格好になった。

 

しっとりとしたもっちり感が良好な麺
細麺

旭川の須藤製麺工場から仕入れていると思われる細麺は、旭川風の低加水麺。適度な茹で加減で、しっとりとしたもっちり感がいい具合に表れている。ところでこの店から札幌の中心街までは、およそ100km離れている。その距離は本州の感覚ではかなり遠いけれども、極度に信号が少なくて、また交通量も少ない田舎道が延々と続く北海道では、むしろ比較的近いといえる。ゆえに味噌ラーメンには札幌の製麺会社の麺を使いたくなるところであろうが、そこは店主の見識の確かさあってのことか、安易な判断に流されず、およそ250kmも離れた旭川の麺を選択している。この辺りのこだわり、さすがに連続ビブグルマンだけのことはある。

 

とろけるように柔らかい角煮
豚の角煮

豚の角煮はとろけるように柔らかくて、なかなかの美味。というわけで、アピール度の高いスープや麺の陰に埋没してしまうことなく、脇役たりうる一定のアピール力を維持していて、全体的バランスを保つのに寄与できている。

 

総括
駐車場脇に設置された看板

今回は、ニセコにあるビブグルマンラーメン店のえぞらーめん 勝二で、ミシュランガイドおすすめの味噌ラーメンを味わったのだが、概ね噂通りといった感じの逸品であった。それにしても、味噌ラーメンの聖地札幌から比較的近い田舎にポツンと1軒だけあるラーメン店が、札幌でひしめき合っている数多のラーメン店も及ばぬレベルの味噌ラーメンを作れるというのは、何という諧謔であろうか。

 

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