北海道ラーメン紀行 #33|元祖 旭川らーめん 一蔵 旭川本店:異色の旭川ラーメン! ミシュランガイド掲載店で味わう淡麗系の逸品[北海道旭川市]
鮭ぶしらーめん しょう油・大盛・トッピング チャーシュー(3枚)
淡い色合いのスープの、旭川らしからぬ醤油ラーメンが着丼。
上出来の淡麗系スープ
鮭節の出汁を使用した醤油スープは、あっさりした軽い口当たりで、まるで味覚の上を軽快に踊るかのような粋な味わいに仕上がっている。これが麺と抜群のコンビネーションを成し、麺をしっかりと補完する脇役に徹しつつも、後味へと抜かりなく余韻を残してくるという、心憎いほどの上々の出来栄えだ。
なかなか秀逸な自家製麺
適度な茹で加減の自家製の細麺は、シコシコ感ともっちり感が程良く表れて、軽妙洒脱な雰囲気を織り成し、またスープの掴みも良好で、なかなか以て出来がいい。
とても淡白な味のチャーシュー
チャーシューそれ自身は凡庸以上でも以下でもないが、とても淡白な味であることで、目立たない端役に徹し、麺・スープと上手く整合性を保っている。
総括
今回は、ミシュランガイド北海道2012特別版でビブグルマンに選ばれた元祖 旭川らーめん 一蔵 旭川本店で、鮭節の出汁を使った醤油ラーメンを味わったのだが、旭川で遭遇するとは予想しえなかった、まさかの淡麗系ラーメンの逸品であった。昨夏、札幌から旭川に引っ越し、旭川ラーメンの食べ歩きを本格的に始めた1杯目にいきなり幸先良く、このとてもハイレベルなラーメンに邂逅して驚かされた次第である。それにしても札幌と旭川は、人口にして6倍、コロナ禍以前に訪れていた観光客数では3倍の格差があり、当然ラーメン文化にもそれ相応の格差があるに違いないと、このときの私は思っていたわけだが、思い返せばそれから1ヶ月後、旭川を去るときには旭川ラーメンに対するイメージは随分と変わっていたのだった。つまり、ラーメン界に大革新をもたらしたダブルスープを生み出した町のラーメン文化は伊達ではなく、札幌にさえ肉薄するくらいだと。
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