北海道ラーメン紀行 #16|我流麺舞 飛燕:ミシュランプレート店の挑戦的ラーメン、その名も『我流札幌ラーメン 飛塩』[札幌市豊平区]

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我流札幌ラーメン 飛塩・大盛り・チャーシュー
我流札幌ラーメン 飛塩・大盛り・チャーシュー

炙りチャーシューと焦がしラードに照応するかのごとく、焦げ目のような文様を施した器のラーメンが着丼。

 

鶏白湯+焦がしラード
鶏白湯+焦がしラード

濃厚なスープは鶏白湯がベースで、そこにニンニクを効かせ、さらに旭川ラーメンの老舗の蜂屋のように焦がしラードを浮かべてあるとのこと。鶏白湯由来のまろやかで柔和な味わいと、微妙に苦味を漂わす強めの旨味が顕著な二面性を形成し、まるで穏やかな佇まいから不意打ちの強烈なパンチを放つかのようなエネルギッシュで面白みのある味わいに仕上がっている。さすがにミシュランプレートに選ばれるだけのことはある、激旨スープだ。

 

もっちり感に秀でた麺
細麺

適度な茹で加減の細麺は、もっちり感に秀でているのが特徴で、なかなかイケてる感じの出来である。

 

とろけるような食感のチャーシュー
炙りチャーシュー

炙りチャーシューは、スープの味覚への当たりが強いのに合わせ、しっかりと味付けされている。とろけるような柔らかさがいい感じで、結構旨い。

 

総括
店舗の看板

今回は、札幌市豊平区の有名ラーメン店が集中するエリアにあるミシュランプレート店の我流麺舞 飛燕で、看板メニューの鶏白湯系ラーメンを味わったのだが、力押しで攻めるタイプの激旨で、かつありきたりの鶏白湯ではなく、捻りを加えたユニークで挑戦的な作りで、なるほどこれなら強敵にも伍してやっていけるだろうなと思えるようなハイレベルな出来栄えであった。それにしても何故、札幌市豊平区の中の島界隈の一部地域にだけ有名ラーメン店が集中しているのであろうか。単なる偶然なのだろうか。いや、決して偶然だと片付けてはいけないだろう。もしも偶然だという説明を使うならば、1964年に村中明子氏が純連を創業したのが中の島だったという一事で尽きるだろう。純連は後にさっぽろ純連すみれに分かれたわけだが、大して人が集まらない二流の商業地である中の島界隈に純すみ系の中核の2店が居座って客を吸い上げてしまう状況となったため、この地でラーメン店が生き残るには純すみ系を超えるラーメンを作り、自己の名声で遠方から客を引っ張ってこなくてはならなくなったと思われる。それができない並以下のラーメン店は淘汰され、結果的に凄腕のラーメン店ばかりが集まる状態となったのだろう。すべては資本主義の原理の一端を成す、競争の原理の賜物なのだ。ラーメン店に限らず何事であれ、競争相手やライバルの存在こそが自己の進歩を促すのだと、改めて私に気付かせてくれた場所、それが豊平区の中の島であった。

 

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