北海道ラーメン紀行 #19|Japanese Ramen Noodle Lab Q:もしやあの名店のインスパイア系!? 札幌で味わう関東テイストの醤油ラーメン[札幌市中央区]

醤油ちゃあしゅう麺
醤油ちゃあしゅう麺

らぁ麺 飯田商店の醤油ラーメンを彷彿とさせる一杯が着丼。

 

(参考) 飯田商店の醤油ラーメン

参考までに、2020年11月11日(水)に静岡県沼津市にある湯河原 飯田商店で味わった醤油チャーシュー麺の写真も掲載しておく。

 

柔軟性が強く表れた細麺
細麺

柔らかめの茹で加減の細麺は、柔軟性を猛烈にアピールする仕様で、傾向的には飯田商店などの関東の淡麗系の名店の麺とよく似ている。柔軟性から派生するもっちり感もそこそこいい感じで、さらにはスープの掴みもとても良い。しかし柔軟性を打ち出すのに茹で加減に頼っている様子が窺え、短絡的で稚拙な感じが少し漂う。飯田商店の流麗な至高の麺には程遠い、まあまあの出来といったところだ。

 

釧路ラーメン風のスープ
醤油スープ

清湯の醤油スープは、あっさりした味わいの中にキリッと醤油感が立ってアクセントをつけている感じで、釧路ラーメン風の作り。このスープだけを見れば、なかなか味わい深くて良好な出来だが、麺とスープがともに特徴をアピールし、主張を競い合うような関係になっているため、互いに相手を阻害する様態となってしまっている。つまりは、麺とスープの相性があまり良くない。

 

上質だが、調和を欠く多種類のチャーシュー
チャーシュー

チャーシューは多種類が載っている。いずれも飯田商店などの関東の超一流の清湯系ラーメン店のように上質感がよく表れた作りとなっていて、それぞれを単独で見れば、ハイレベルな出来である。しかし一方で、それぞれの仕様がバラバラなので全体の調和が欠如していて、いささか稚拙な雰囲気を醸している。

 

総括
暖簾

今回は、札幌の人気ラーメン店Japanese Ramen Noodle Lab Qで、らぁ麺 飯田商店を非常に意識した感じの醤油ラーメンを味わったのだが、飯田商店のラーメンのうわべだけを真似て、肝心の本質は真似ることができていないラーメンであった。結果、飯田商店のレベルには到底届かない完成度だったわけで、これでは模倣する意味がないのではないかと思えるほどだった。思うに、ラーメンを模倣するということは、結局のところ作り手のラーメンについての考え方を知り尽くすことであって、飯田商店のラーメンを模倣したいなら、飯田将太店主の料理思想を熟知する必要があるだろう。ゆえに、例えば飯田商店を目標とするラーメン店の店主がいるならば、進むべき道は2通りしかないのではなかろうか。すなわち1つは飯田商店に弟子入りして、飯田将太氏から料理思想を直に学びとる道。もう1つは模倣する考えを捨て、飯田商店のラーメンを参考にしつつ、自分に合った独自のラーメンを開発していく道。ラーメン作りに関して、ど素人の分際で僭越ながら、かように思う次第。

 

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