北海道ラーメン紀行 #28|らーめん山頭火 旭川本店:ミシュランガイドにも掲載! 醤油ラーメンの町で誕生した豚骨ラーメンチェーンの本店 @旭川駅前[北海道旭川市]

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しおらーめん・大盛り
しおらーめん・大盛り

豚骨スープ上の小梅の梅干しが紅白の趣向を添えるラーメンが着丼。尚、メニュー名がしおらーめんなのは、乳化させた豚骨スープを使った塩ラーメンという意味で、要するに世間一般に言うところの豚骨ラーメンである。

 

美味だが、面白みに乏しいスープ
豚骨スープ

豚骨スープは微かな甘味を含むまったりとした穏やかな味わいが優しく味覚を撫でるかのような仕上がりで、なかなかの美味。しかし一方で、その穏やかで優しげな風情の裏には、故意に癖を抑圧したような、まるで能面みたいな無表情が潜んでいる印象を受ける。いわゆる工場製っぽさというやつだ。おそらくはどこかのセントラルキッチンで製造したスープを使っているのであろうが、ラーメンを食べ慣れた人の心の琴線を、この面白みに乏しいスープが震わすことはたぶんできないであろうと思えた。

 

しっとりとしたもっちり感が良好な細麺
細麺

適度な茹で加減の細麺は、ややしっとりとしたもっちり感が良好な低加水麺。豚骨ラーメンの本場の博多のスタイルを部分的に踏襲しているとも言えるが、旭川ラーメンにおいてもまた低加水麺が一般的なので、一概に博多スタイルであるとは言い切れない。

 

無難な出来のチャーシュー
チャーシュー

チャーシューは柔らかめではあるものの、ラーメンチェーン店にありがちな概して平凡な作りで、良くも悪くもない無難な出来である。

 

ランチタイムの些細なサービス

ランチタイムだと、写真のような小振りのおむすびが無料で付き、微妙にお得。尤も微妙過ぎる感も否めないのだが。

 

総括
店舗に表示された店名

今回は、過去に2度刊行されたミシュランガイド北海道で2度とも調査員おすすめの店、すなわち現在言うところのミシュランプレートに選ばれたらーめん山頭火 旭川本店で豚骨ラーメンを味わったのだが、案の定、いかにもチェーン店らしい“中の上”レベルの凡庸な出来であった。全体的印象や旨さの水準では、同じく豚骨ラーメンチェーンである一風堂に近い感じで、このらーめん山頭火 旭川本店ミシュランプレートだと評価するのであれば、らーめん山頭火の世界中の全54店は当然のこと、一風堂の世界中の全290店も確実にミシュランプレートレベルのラーメンを提供しているということになるだろう。さらには、らーめん山頭火一風堂ミシュランプレートレベルだと言うのであれば、どう考えても他のラーメンチェーン店、例えばラーメン山岡家町田商店天下一品くるまやラーメン等々もミシュランプレートレベルだと見なさざるをえない。そして、あの天下屈指の名店らぁ麺 飯田商店もミシュランガイド横浜・川崎・湘南2015特別版で調査員おすすめの店、すなわちミシュランプレートに格付けされていることを考え合わせると、これらラーメンチェーン店は少なくとも6年前の飯田商店に匹敵するということになる。つまりは日本国内には6年前の飯田商店クラスの超一流店が満ち溢れていて、どこにでもあるような普通のラーメンチェーン店に行けば超一流のラーメンを味わえるのだと、ミシュランガイドは述べているに等しいわけだ。この辺り、ミシュランガイドはフランスに本社があるミシュランの傘下ということで、フランス流の粋なジョークとでも受け取っておくことにしようか。

 

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